東京都区CPIでやや円買いも、利上げ期待が急拡大するほどではなし【10/31為替相場】

2025年10月31日

今日のポイント

深夜帯の中東リスク再燃に伴い、金への買いが再開
トランプ氏帰国からの次の対中圧力へも警戒が必要なタイミング
東京都区CPIは市場予想をわずかに上回る結果も、限定的な上振れかつ、今後のガソリン暫定税率軽減見込みのため12月利上げ期待はさほど上昇せず
強い円安効果や半導体期待、米中対立リスク後退で日経平均は本日も堅調
本日の欧州圏HICPの伸びはほぼ先月と変わらず、市場予想と大きくぶれなければほぼ無風の可能性

本日のスケジュール

14:00　日）9月新設住宅着工戸数（予想：前年比▲7.8％）
16:00　独）9月独小売売上高（予想：前月比0.2％／前年比2.7％）
16:00　独）9月独輸入物価指数（予想：前月比▲0.2％／前年比▲1.4％）
16:00　英）10月英ネーションワイド住宅価格指数（予想：前月比横ばい）
16:00　トルコ）9月トルコ貿易収支
16:30　スイス）9月スイス小売売上高
16:45　仏）10月仏消費者物価指数（CPI）速報値（予想：前月比0.1％／前年比1.0％）
16:45　仏）9月仏卸売物価指数（PPI）
17:30　香）7－9月期香港域内総生産（GDP）速報値（予想：前期比▲0.2％／前年比3.0％）
19:00　日）外国為替平衡操作の実施状況（介入実績）
19:00　欧）10月ユーロ圏消費者物価指数（HICP）速報値（予想：前年比2.1％）
19:00　欧）10月ユーロ圏HICPコア速報値（予想：前年比2.3％）
21:00　南ア）9月南アフリカ貿易収支（予想：69億ランドの黒字）
21:30　カナダ）8月カナダGDP（予想：前月比横ばい／前年比0.9％）
22:30　米）ローガン米ダラス連銀総裁、講演

ネル

先ほど発表された東京都区部CPIは、市場予想をやや上回る結果となりました。
ただ内訳を見ると、上昇の主因は食品（特にコメ）の値上がりなどコストプッシュ型の要因が大きく、日銀の利上げで抑えられるタイプのインフレではないですね。
そのため、発表直後に一時的な円買いは見られたものの、市場全体としては落ち着いた反応でした。
ドル円は依然として153円台半ば～後半での推移。
円安水準が続いていることで、日経平均には追い風となっています。
特に半導体関連の期待感が根強く、アドバンテストやファストリといった主力株がしっかりと上昇している状況です。
一方で、ベッセント米財務長官の発言はFRBへの信頼性をやや揺るがす内容でしたね。
クリスマス以降、FRBの政策決定が政治的に左右される懸念が強まるとの見方も出ています。
ミラン理事のようにインフレを軽視し、トランプ氏寄りの金融政策を示唆する人物が増えていくと、FRBの独立性が損なわれるリスクが高まりそうです。

深夜帯には中東情勢が再び緊張し、リスク回避の動きから金が一気に上昇しました。
トランプ氏が帰国後に外交成果をアピールするため、中国への強い発言を再開する可能性も指摘されており、その点も金相場の上昇を後押ししているようです。
また、ラガルドECB総裁は「コアインフレは2％目標と整合的」「成長リスクの一部は緩和」と発言。
現状、どちらか一方に偏らない中立的なスタンスを維持している印象ですね。
本日発表予定の欧州HICPも市場予想どおりであれば、ユーロ圏は大きな値動きなしで通過する可能性が高そうです。
さらに片山財務相からは「為替に一方的で急激な動きが見られる」との発言がありました。
現時点では口先介入の段階ですが、トーンが強まるようであれば、実弾介入への警戒感も一気に高まるかもしれません。
直近での介入はまだ考えにくいですが、153円後半を上抜けるようなら市場も一段と神経質になりそうです。

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